アレッポは雨 الأمطار الشديدة في حلب وهي مصحوبة بالرعد

October 19, 2005
雷を伴う激しい雨。1日1日と雨の量が増えていく。今日で3日目。雨が海岸地方まで来ているとティシュリーンの1面で読んだのが3日前。その夜は、驟雨の中をアブー・ナッワースに出かけたけれど、今日は朝から断続的にかなり激しく降っている。楽しみにしていた、クルアーンのダルスも中止になってしまったほどだ。
めずらしく日本で過ごした今年の夏は、水害のニュースに接することが多かったが、シリアの雨が、恵みの雨であることに変わりはない。「雨が降るとうれしくなる」。今日アレッポ大学の日本センターで秘書のバトゥールさんが一生懸命話してくれた日本語だ。今年の豊作を祈らずにはおかない。
昨日、アンサーリー・シャルキーという地区のカルム・ダアダアというところを訪ねた。アレッポであればどこでも感じることのできる快活さが、貧しさにすっかり覆われているような地区。友人を待つ僕の横をいぶかしげに通り過ぎた子供の半ズボンとランニングシャツが妙に寒々しい。ラマダーンも後半を迎えるというのに。。。
聞けば、税金の高い地域だという。つまり、同じ額を払っているのに、政府のサービスがほとんど行き届いていない地区ということだ。地域内には、ザカートを払える人がほとんどいないとも聞いた。コミュニティーセーフティネットの機能を検証しなければいけない。
かつては、巡礼への道がつながる橋が架かっていた場所のすぐ外側のこの地区。今そこに住むのは、田舎からアレッポにたどり着いた人々たち。橋のあった場所は、ジスル・アル=ハッジという大きなラウンドアバウト。ダッワールに吸い込まれる大量の車がたてる濛々とした土埃に、巡礼橋の郷愁はかき消されてしまうけれど、アレッポの内と外とがそこで分かれているというのは気のせいであったと願わずにおかない。
マブリブのアザーンが降雨で澄んだ空気を伝わってきた。さてイフタールに戻ろうと思う。